武川岳の基本情報
武川岳の山頂は樹林に囲まれていて見晴らしはあまりよくないのですが、唯一棒ノ嶺や蕨山方面は見通すことができます。
焼山まで足を伸ばせば武甲山の素晴らしい眺めを楽しむことができるのでおすすめです。
山名 | 武川岳(たけかわだけ) |
標高 | 1,051.7m |
場所 | 埼玉県秩父郡横瀬町芦ヶ久保 |
駐車場 | 名郷有料駐車場 |
三角点 | なし |
備考 |
駐車場情報
名郷有料駐車場
名郷を起点にして蕨山、有馬山、武川岳、大持山、子持山などを登ることができる素晴らしい場所なのですが、残念ながら無料の駐車場は用意されていません。
この有料駐車場が上のどの山へ登るにしてもベストな場所にある駐車場です。
案内板に書かれている通り、下山する頃には、料金箱が設置されています。ちゃんと支払ってから帰るようにしましょう。
料金 | 有料(平日:500円、休日:700円) |
駐車可能台数 | 約10台 |
最終確認日 | 2019年6月13日 |
備考 |
登山ルート情報
名郷~武川岳~妻坂峠~名郷(周回ルート)
出発地点 | 名郷有料駐車場 |
所要時間 | 3時間59分 |
登山ルート | 名郷有料駐車場~天狗岩~前武川岳~武川岳山頂~妻坂峠~駐車場 |
トイレ、コンビニ情報
トイレ情報
名郷公衆トイレ
名郷駐車場の横(名郷バス停横)に数年前に建て替えられたきれいな公衆トイレがあります。
名郷バス停は蕨山、武川岳、大持山、子持山などの登山の起点にになるためここで下車する登山客が数多くいます。そのため公衆トイレが整備されたのでしょう。
ただ残念なことに男女共用で、男性用小便器(2個)、和式大便器(1個)そして身障者用洋式大便器(1個)しかない小規模なものです。
コンビニ情報
駐車場の近くにはありません。飯能市内のコンビニが一番近いコンビニです。
山と高原地図(旺文社)
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武川岳(名郷発)の登山記録
山行日 | 2019年6月13日(木) |
山行形態 | 単独 |
天候 | 晴れ |
名郷駐車場から3つ目の階段へ(所要時間:約30分)
名郷駐車場からは歩き始めの30分は舗装道路上を歩き、途中でその舗装道路をショートカットするために森の中へ入っていきます。
そのショートカットするための入口にあるのが階段で合計3つあります。
3つ目の階段が最後の階段で、それ以降は山頂まで完全な登山道となり、舗装道路や林道上を歩いたり横切ったりすることはありません。
ここが名郷バス停前にある有料駐車場で、だいたい10台くらい駐車可能です。写真奥にある建物が公衆トイレです。公共交通機関を利用する登山者は、ここ名郷バス停で下車し、トイレを済ませてから出発していきます。
駐車場は有料ですが、基本的に無人です。下山時に黄色いポストに料金を入れて帰ることになります。夏休み以外の平日は500円、それ以外は700円と書かれています。
名郷駐車場横にある公衆トイレは男女別でないのがちょっと残念です。
公衆トイレの横には登山届を提出するポストがあります。用紙とペンも備え付けられているし、記入事項もとても簡潔なのですぐに書いて出すことができます。
登山届提出ポストから正面を見ると山肌が露出した部分が見えます。あそこが最初の目的地であるビューポイントです。
このビューポイントからは伊豆が岳の横にある古御岳とそこから子ノ権現へ向かう尾根上にある高畑山などが良く見えます。このビュースポットの先が天狗岩です。
まずは駐車場から左の舗装道路を歩きます。
舗装道路の左側にはきれいな川が流れています。この川が入間川の源流で、よく見ると魚が泳いでいるのがわかります。
駐車場から200mちょっと歩くと「民宿 西山荘 四季の宿 笑美亭」と書かれた看板が見えてきます。ここを右に曲がり道なりに舗装道路の坂道を上っていきます。
この看板のところを右へ曲がります。(ここには武川岳などと書かれた案内板は一切ありません。)
駐車場から10分ほど道なりに坂道を上っていくと道が行き止まりになります。左を見ると案内板と緑色のフェンスのある階段があるのがわかります。
案内板に「武川岳」の文字が出て来ました。この階段を上っていきます。
すぐに車道に出ますのでまた道なりに車道上を上っていきます。
次の案内板が現れるまで舗装道路上をひたすら歩いて上っていきます。
10分ほど歩くと左側に急な階段と案内板が見えてきます。ここが2度目の階段です。
階段下には「武川岳 天狗岩方面」と書かれた案内板があります。
ここからは完全な登山道になります。杉などの植林の森なので基本的に薄暗いのですが、晴れていると木漏れ日も入るため案外気持ちよく歩くことができます。
空を見上げるとやはり濃い緑の葉があるため日が差し込まないのがわかります。
また10分ほど森の中の登山道を歩くと車道に出ます。
車道に出て左を見ると30mほど先に同じような白い案内板があるのがわかります。あそこが次の登山口のようです。
最後の階段(3度目)から天狗岩へ(所要時間:約50分)
最後の階段(3度目)の入口にもこのようにわかりやすい案内板がガードレール横に設置されているので安心です。
この階段を上ると本格的な登山道になります。
踏み跡を頼りに急な斜面を登って行きます。
要所にはしっかりと案内板が設置されているので迷うことはありません。
しかしながら傾斜はかなり急で、登山道から下を見下ろすとその傾斜のきつさがよくわかります。
3つ目の階段(最後の階段)から30分足らずで、正面が明るくなり空が見えてきます。ここが名郷駐車場から見えた地面が露出した部分でビューポイント①の場所です。
ここからは伊豆ケ岳から子ノ権現への尾根が一望できます。残念ながら伊豆ケ岳は確認できませんでしたが、その隣の古御岳と高畑山は良く見えました。
ここは武甲山と同じように石灰石の採掘を行っている鉱山なので、木が伐採されて今でも石灰石の採掘が行われてます。
採掘を行っているのは新鉱工業(株)で名郷鉱山の石灰石や開発状況などが紹介されいます。
ビューポイントから先へ進むと再び森の中に入ります。すると大きな石が増えてきます。
初めのうちは大きな石の左側の踏み跡を歩いていれば良いのですが、途中の踏み跡が分岐するあたりで右の尾根上を歩くようにします。
すると傾斜が増すと同時にさらに大きな岩が多くなってきます。天狗岩が近い証拠です。
尾根上に大きな岩が積み重なったところに案内板が見えてきます。ここが天狗岩の始まりの場所で見晴らしの良い最上部まで10分くらいは大きな岩をよじ登ることになります。
天狗岩の入口には男坂と女坂に道が分岐しています。女坂は岩場を通らずに迂回できる安全なルートで、男坂は正面の岩をよじ登っているちょっと危険なルートです。
こちらが右へ迂回する女坂です。男坂の岩登りはバランスを崩して落ちたら大怪我になりますので、バランス感覚の衰えを感じている方は女坂を歩いたほうがよいでしょう。
女坂は天狗岩の最上部で合流しているので、天狗岩からの展望を楽しむことができます。
男坂を安全に登るコツは、ルートファインディング力です。所々に黄色や赤のテープが木の幹に付けられています。そのあたりが一番段差が少なく安全に登れる場所になっています。
天狗岩は大きな石が一つあるというわけでなく、尾根自体が全部岩に覆われている状態です。これが上までずっと続きます。
随分登ってきたように感じるのですが、上を見るとまだまだ岩場が続くのがわかります。木に赤と黄色のテープがあるので登り口はわかるのですが、あとは自分でルートを見つけなければなりません。
無理をしてバランスを崩すと痛い思いをします。慎重に安全に登れるルートを捜しましょう。
上部が明るくなってきました。森から抜け天狗岩の最上部へ到着しそうです。
天狗岩からの展望
下の古御岳と高畑山の見えるビューポイントから25分ほどで天狗岩の最上部に到着しました。
下の町は飯能市の上名栗あたりで、その先が飯能市街へ続きます。名郷駐車場は写真手前の木の葉に隠れているあたりです。
天狗岩から武川岳へは一度下り上り返すかたちになります。
天狗岩から20分ちょっと歩くと鹿よけのネットが見えてきます。このネットに沿って急坂をしばらく登ります。
ネット沿いに急坂を10分ほど登ると前武川岳に到着します。ここにはベンチが2脚置かれていて座って休憩することができます。
「前武川岳」の表示は私製の小さな板に書かれているだけの簡素なものです。
前武川岳には案内板があり、ここから武川岳まであと700mだということがわかります。
武川岳山頂に到着!
前武川岳から20分ほど歩くと武川岳の山頂に到着します。山頂は樹木に覆われていて殆ど展望はありませんが、日当たりは良好です。
また山頂にはベンチが4つほど置かれているので座って足を休めることもできます。
ただ武川岳は妻坂峠方面、焼山、二子山方面、名栗げんきプラザ、山伏峠方面そして名郷方面と四方からの登山道が合流する場所なので週末は登山者の往来が多い場所で案外混み合います。
ゆっくり座って休憩したい場合は、何か敷物を用意しておいたほうが良いでしょう。
今回の目的地、武川岳の山頂にある山名板です。標高は1,051.7mを名郷駐車場から2時間20分で登りました。
武川岳は唯一南側の展望があり、棒ノ嶺や蕨山などは眺めることができます。
下山は妻坂峠を経由して名郷へ(所要時間:約1時間25分)
下山は妻坂峠を経由して入間川源流沿いに歩いて戻ることにします。まずは「妻坂峠へ」の案内板に従って先へ進みます。
途中にはかなり急な下り坂があります。滑りやすいのでストックがないとちょっときついかも知れません。
傾斜が緩み日当たりの良い場所が見えてきたら妻坂峠へ到着です。武川岳から20分弱でした。
ここも交通の要所だったのでしょう。お地蔵様が名栗と秩父を結ぶ道を見守っているようです。
木の間から武甲山の山頂が見えました。妻坂峠から武甲山方面へ下ると武甲山へ登る時に車を止める武甲山表参道一の鳥居駐車場へと通じています。
妻坂峠から名郷駐車場へ
妻坂峠からは「名栗村名郷」の案内板方面へ下ります。
妻坂峠からの下山路は比較的緩やかで歩きやすい道です。
妻坂峠から20分足らずで鉄製の端が見えてきます。その先はすぐに舗装道路になっています。
鉄製の端を渡るとちょっとしたスペースがあります。ここに車を駐車して大持山や子持山をピストン登山することも可能です。
舗装道路を道なりに下っていくと道が分岐します。案内板に従って名郷方面(左)へ進みます。
道なりに少し下ると道の脇に石碑が建っています。
石碑の文字を読んでみると「一級河川 入間川起点」と書かれいるのがわかります。ここからが入間川ということです。
石碑の横には入間川に関する解説板があります。
入間川の位置と流域
入間川は大持山(1294m)南東斜面を源とし、飯能市・青梅市(東京都)の山や丘陵から流れ出す水を集め、埼玉県南部を東~北東へ流れ、川越市で荒川と合流する長さ67.4kmの川です。
槻川(つきがわ)・都幾川(ときがわ)・高麗川(こまがわ)などの支流を集めた越辺川(おっぺがわ)が川島町・川越市境付近で入間川と合流し、入間川水系全体の流域面積は735.3平方キロメートルとなり、荒川流域(2940平方キロメートル)の25%を占めます。
飯能市
入間川の起点からはずっと入間川沿いの舗装道路を下っていきます。
ここが最後の分岐でこここを左へ曲がり入間川沿いに下ると名郷駐車場へ戻ります。
このあたりからは大鳩園キャンプ場で、バーベキューや川遊びができる場所が入間川沿いにあります。
やはりベストシーズンは夏休みで、多くの家族連れで楽しめるよう設備も充実しているようです。
小さな滝があったりして、変化に富んだキャンプ場です。
浅瀬では子供が水遊びを楽しめる場所もたくさんあります。
大鳩園キャンプ場を過ぎると民家が見えてきて名郷駐車場まであと少しです。妻坂峠から1時間ちょっとで名郷駐車場に到着しました。
今回の登山の所要時間は、登りが2時間20分、下りが1時間20分、休憩が20分弱の合計約4時間の山行でした。
まとめ
名郷を起点とした天狗岩と武川岳をめぐる周回ルートで、4時間前後で歩ける初心者向きのコースです。
ただ天狗岩の男坂だけはちょっと危険が伴いますので、初心者の方やバランス感覚に自信の無い方は女坂を選択することをお勧めします。
見晴らしを楽しめる場所は、天狗岩前のビューポイント、天狗岩そして武川岳の山頂の3ケ所で、いづれも360度の大パノラマが満喫できるということはありません。
ただ3ケ所で違った方向の展望を楽しめるので、案外楽しいルートだとも言えます。
おすすめの時期は、雪が降る前の秋から初冬にかけてと雪の消えた早春頃です。この頃であれば、虫が顔の周りを飛びかうことも少ないし、空気も澄んでいるので遠くまで見通すこともできます。