伊豆ケ岳(正丸峠経由)

埼玉県
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伊豆ケ岳の基本情報

伊豆ケ岳山頂にある看板

大人から子供まで誰でも手軽に登れる伊豆ケ岳は、埼玉県西部の小学校の生徒なら学校行事として登った経験があるはずです。それほどポピュラーな山です。

山名伊豆ケ岳(いづがたけ)
標高851m
場所埼玉県飯能市
駐車場①正丸駅(有料:500円)、②名栗げんきプラザ(無料)
三角点三等三角点あり
備考

伊豆ケ岳の駐車場情報

正丸峠駅駐車場

西武秩父線正丸駅のトイレの横に約10台駐車可能な有料駐車場があります。この駐車場は、駐車時に券売機で駐車券を購入し、それを車のダッシュボードの上の見やすい場所に置いておくという方式です。

位置下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。
料金有料(1日(24時間):500円/2日(48時間):1,000円)
駐車可能台数約10台
最終確認日2023年3月9日(木)
備考 

登山ルート情報

正丸峠経由ルート

出発地点正丸峠駅駐車場
所要時間3時間35分
登山ルート正丸駅駐車場~正丸峠~小高山~五輪山~伊豆ケ岳~五輪山~かめ岩~ふたご岩~正丸駅駐車場

トイレ、コンビニ情報

トイレ情報

西武秩父線正丸駅にある公衆トイレ

これが正丸峠駅前に男女別のきれいな公衆トイレがあります。(洋式洗浄便座付き)改札の外にあるので誰でも自由に利用できます。

コンビニ情報

正丸駅周辺にはありません。飯能市街か秩父市街で早めに立ち寄っておくとよいでしょう。

おすすめ登山地図

おすすめの登山地図は、昭文社の「山と高原地図/(22)奥武蔵・秩父」です。

伊豆ケ岳の登山記録

山行日2018年4月26日(木)
山行形態単独
天候晴れ

西武秩父線の正丸駅の線路沿いある有料駐車場は、写真奥の建物の向こう側も駐車スペースになっていて、全部で約20台駐車可能です。

駐車場の横にあるのが駐車券を購入する機械で、先払いになります。車を入庫したらすぐにこの券売機で駐車券を購入し、車のダッシュボートに置いて料金支払い済だということがわかるようにします。

駐車料金は、1日(24時間)500円、2日(48時間)1,000円です。券売機の操作方法は、上の「料金精算方法」に書かれていますが、きっちり手順とおりにボタンを押さないとお金が入っていきません。

駐車場のすぐ横には男女別のきれいなトイレがあります。便器は洋式の洗浄便座でとても快適でした。

正丸駅前はこのように広いスペースがありますが、長時間駐車はできません。また正面の建物は「正丸駅売店」ですが早朝はまだ開いていません。そばやうどんなど軽食もできるようになっていたり、おみやげも売っています。

登山口は、正丸駅と「正丸駅売店」の間を通り抜けていきます。奥に階段の手すりが見えますが、そこを降りていきます。

階段の手すりのところまで行くと、左に観光案内板があるのがわかります。今回は正丸峠を経由して伊豆ケ岳を目指すルートです。一番上の「伊豆ケ岳を超える道」というのは、正丸駅をスタートして伊豆ケ岳を登ったあと、山頂を通り抜けて子の権現を経由して吾野駅へ下るルートです。

平衡感覚がおかしくなる階段

もうちっと考えて作ればよさそうなものなのにと思うのですが、何かが曲がっているように見えて、写真を見ているだけでも酔いそうになってきます。ここで転んだら登山どころではなくなります。

手すりにつかまってゆっくりと降りることにします。

階段を下りてそのまま数十メートル進むと舗装道路に合流し、そこに案内板があります。伊豆ケ岳、正丸峠は右と書かれているので、ここで右に曲がり、西武秩父線の線路の下のトンネルを通り抜けます。

ここから登山口までの約20分は車道を歩きますが、次第にその車道の傾斜もきつくなってきますので登山口に到着するまでにひと汗かかされます。

ここが「大蔵山コース」入口で、ここから登ると伊豆ケ岳へ最短で到着できますが、このルートの往復だと2時間前後で戻ってきてしまうので、今回はわざと遠回りになる「正丸峠コース」を歩くことにします。

今回のルートでは、下山時にこの大蔵山コースを使い、ここに戻ってきます。

「正丸峠コース」は案内板に従って、もう少し舗装道路をそのまま進みます。

「大蔵山コース」入口からほんの1~2分で「正丸峠コース」登山口に到着します。この建物のあいだを通り抜け、森の中へ進むと登山道になりますが、特に「正丸峠コース入口」などという看板はありません。

登山口にある建物は完全な民家なので、住んでいる方の迷惑にならないよう静かに通り過ぎるようにしましょう。また近くに生えている山野草を無断で採取しないようにしましょう。

「フキを取らないでください。」と住民の方に書かせてしまうのは残念なことです。

登山口から数分歩くと小さめの鳥居と祠(ほこら)が見えてきます。すぐ横には観光案内板があったの読んでみると、地元で林業に携わる方々の安全と木の成長を願って作ったものだとわかります。

観光案内板がなければ、ちょっと薄気味悪いものとしか感じないものですが、要所要所に観光案内板があるとこのようなことを知ることができ有難いものです。

お申講(さるこう)

2月の初申(はつさる)に、山の神を祭るのが「お申講(さるこう)」で山の多い飯能には特に多く、今も盛んに行われています。立派な社殿をもつもの。小さなほこら、古木、石等、対象もさまざま。祭神もさまざまで、大山祇神(おおやまつみのかみ)・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)としるしたものを多く見かけますが、山の神とは、猿田彦だとか、天狗とか、本物の猿とか、いろいろな答えが返ってきます。

山の木を守ってくれ、働く人の安全を守ってくれるのが山の神。そう信じて頭を下げれば、しめを張った1本の木でもよいわけです。山仕事で暮らす人の多い地区では、いろいろおもしろい話が聞けます。

環境庁・埼玉県

しばらく道なりに進むと正丸峠0.7kmと書かれた案内板が出て来ます。あとたった700mということですが、ここから少しづつ傾斜が増してきます。

小さな小川の上に置かれた丸太橋ですが、油断せずに慎重に渡りましょう。このほかにも数か所あります。

昨日の雨で谷筋の道は小川のようになっており、とても登山道には見えません。このあたりには案内板がないのでちょっと迷いますが、しっかりと踏みあとを探してルートを見失わないようにしましょう。

傾斜がさらに増してくると森を抜け青い空が広がります。上を見ると正丸峠にある茶店が見えてきますが、この階段が急で休み休み登らないと息が切れてしまいます。

建物の左側に回り込むと道が分岐しています。左が伊豆ケ岳へのルートになりますが、正丸峠の展望を楽しむために右へ進みます。

正丸峠から見えるのは・・・

右へ進むとすぐに車道が見えてきて、道の向かい側に「正丸峠」と書かれた案内板があります。

建物の横が展望スペースになっていますが、その横に大きな記念碑があります。昭和天皇と今の天皇が皇太子殿下だったころに美智子妃殿下と共にここへ来られたのを記念して建てられたようです。

「行幸(ぎょうこう)」とは、あまり聞きなれないことばですが、宮内庁のホームページでわかりやすく紹介されています。「行幸」は天皇陛下がお出かけになる時に使われることばで、皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃が外出されるときは「行啓」が使われるそうです。

このように皇室の方が訪問された場所には、このような記念碑が建てられていることがあり、私の知って入り限りでも小仏峠、天覧山、日の出山、乾徳山て見たことがあります。小仏峠と天覧山は明治天皇が行幸された時、日の出山と乾徳山は皇太子殿下徳仁親王が行啓された時に建てられたのもです。

正丸峠からの展望はこの方向のみですが、遠くに見えるのは都心のビル群です。

今日は4月の下旬で暖かく、普段であればここまでくっきりと都心のビル群が見えることはないのですが、今日は風がとても強いおかげで大気の汚れが全部吹き飛ばされているようです。

左の一番背の高いのが東京スカイツリーです。東京の高層ビル群がくっきりと見えます。

これが正丸峠にある唯一の茶店ですが、平日の早朝(朝の8時半)なのでまだ閉まっています。こんな山の中なのでシャッターは落書きでいっぱいなのだろうかと思いきやきれいなものです。

理由は建物に近づいてみるとすぐにわかります。複数の防犯カメラが設置されていて警告文も貼られているため、誰も落書きをしないのでしょう。効果は抜群なのがよくわかります。

防犯カメラはわからないように設置しておくと犯行後の検挙には役立つのですが、予防には役立たないのがわかります。一方、防犯カメラをわかるように設置しておくと本当に防犯になるということですね。

次に目指すのは伊豆ケ岳です。建物の裏にまわり、登山道へ戻ります。登山道の入口には「伊豆ケ岳2.0km」とあります。ここから伊豆ケ岳まではあまり日の差し込まない登山道を歩きます。

登山道は明瞭でしっかりしているので迷うことはありませんが、森の中とはいえ稜線上なので強い風が吹くことが多く、この日も4月の下旬だというのにかなり強い北風にさらされました。

そのため結局我慢しきれずにレインウェアをウインドブレーカーとして着て歩くことになりました。

小高山で北側にある山の三座同定をしよう

正丸峠から20分ちょっとで小高山に到着します。まわりは杉の木に囲まれて展望はあまり良いとは言えません。

山頂は丸い広場になっていて日が差し込んで明るく気持ちの良い場所です。山頂のすぐ手前にはベンチがコの字型に置かれていて、ゆっくり休憩することができます。このあたりは自然林で木の間から北側の景色を眺めることができます。

丸くなだらかな山頂の山は武川(たけかわ)岳です。名栗村の名郷や名栗げんきプラザから登ることができます。(その他:武川岳~伊豆ケ岳

右に見えるのが二子山でこの山はあしがくぼ駅にある道の駅第二駐車場(無料)に車を停めて登ることができます。

伊豆が岳の登山記録

小高山を下るとすぐに分岐があります。左へ進むと正丸駅と書かれています。つまり下山時に使う「大蔵山コース」へ向かう道ということです。伊豆ケ岳へは右の道を進みます。

途中このような案内板のない分岐がありますが、どちらの道へ進んでもすぐ先で合流します。左の道は木製の階段が崩れて歩きずらいので右の道を進みます。

すぐに左へ曲がる道があり、こちらには伊豆ケ岳と書かれた案内板があります。しかしこちら木製の階段も崩れてしまっていました。しかし頑張って登るしかありません。

まっすぐ行く道はまき道で伊豆ケ岳の山頂を通り過ぎてしまいます。

小高山から20分ほどで五輪山に到着します。こちらの山も小高山同様、山頂が丸い広場になっていますが、まわりはすべて樹林に覆われて見晴らしはありません。

ただ山頂の真上は木がないため日がよく差し込んで明るい場所になっています。

案内板の支柱は朽ち果てる寸前です。東京都の山の案内板は最近になって次々に新しいものに交換されていて立派になっているのですが、埼玉県の山はまだまだこんな感じのが多いのが残念です。

東京の雲取山七つ石山など大きな山の山頂には、背丈以上もある石造りの立派な案内板が設置されていますし、標高の低い今熊山刈寄山などの低山でも立派な木製の案内板にどんどん変えられています。

五輪山を下りちょっと歩くと道が分岐します。ここが男坂と女坂の分岐点です。左斜面を登っていくと鎖場になりますが、以前落石による死亡事故など事故が多発するため注意看板が設置されています。

単独登山の私は迷わずに右の女坂を選択しました。

チャートでできた山

伊豆ケ岳はチャートでできている山です。チャートは生物の死がいがたくさんたまって岩石に変わってできたと言われ、秩父帯のなかでもとくに固いため、浸食に対して強くゴツゴツした地形をつくっています。

伊豆ケ岳のほか、県内では両神山・城峰山・武甲山の南側の浦山渓谷などに、高い山やけわしい地形をつくる所にチャートが多く分布しています。

環境省・埼玉県

女坂を歩いているとすぐに分岐があります。以前あった女坂は斜面の崩落により通行止めになったようです。

案内板に従って左の新しい登山道へ進みますが、無理やり作った道なのでしょうか、かなり傾斜がきつくちょっとつらい登り坂が続きます。

伊豆ケ岳の山頂に到着

ひと汗かいた頃に伊豆ケ岳の山頂に到着します。山頂は稜線の一部といった感じで細長くまわりはほぼ樹林に囲まれていて展望はありません。ただ所どころ樹林の間から見渡せる場所があります。

山頂の名を記した案内板は奥のちょっと高くなった場所にあります。山頂へ到着したのは朝の9時37分。正丸駅の駐車場を出発したのが朝の7時40分なので2時間弱ということです。

案内板のすぐ手前には山頂三角点(三等)があります。

木製の看板の横には石でできた案内板もあります。正丸駅から子の権現を経由して吾野駅へ下るルートも人気があり、多くの人が伊豆ケ岳の山頂を通り過ぎて子の権現を目指します。

伊豆ケ岳

伊豆ケ岳の山名は、突峰状の山容によるアイヌ語の「イズ」から出たものと言われています。地元では、快晴の日、山頂に登ると遠く伊豆までみえるからという「伊豆ケ岳説」柚(ゆず)の木が多くあったからという「柚ケ岳説」また昔、麓の湯の沢で温泉が湧き出しており、その前の山だからという「湯津ケ岳説」等、色々な話が伝えられています。

環境庁・埼玉県

伊豆ケ岳の山頂は本当に稜線の一部だということがよくわかります。

伊豆ケ岳の山頂の樹林の間からは南南東(東京方面)が見渡せます。正丸峠からの景色とほぼ同じ方向になります。

左の細長い建物がスカイツリーです。東京都高層ビル群の向こう側が東京湾そして千葉の房総半島です。

手前には飯能の越上山や顔振峠なども確認できます。

その右側には西武ドームや子の権現が確認できます。

反対側(北側)はこのように見通しはどんどん悪くなってきており、かろうじて武甲山と手前に丸いなだらかな山(武川岳)が確認できます。

今日は特に北風が強かったため、遠くまで見通せました。一番奥に浅間山の山頂付近が見えました。

その右側の奥にはまだ雪に覆われた群馬県の山脈を見つけることもできました。

大蔵山コースで下山

山頂からの下山は、大蔵山コースの分岐を見落とさないように進みます。伊豆ケ岳の山頂から五輪山を通り過ぎた先にこのような白い紙に書かれた手製のの案内板があります。

正丸峠から伊豆ケ岳を目指していた時は左の道を通ってきたのですが、伊豆ケ岳山頂から大蔵山コースで下山するには、右の道を進まないと分岐を通り過ぎてしまうことになります。

先ほどの分岐で右へ進むと大倉山の分岐に到着し、正丸駅へ下山する案内板があります。ここで案内板に従って正丸駅方面へ道を下っていきます。

途中でこのような案内板があり、注意して読んでみると中央に「ここはかめ岩」と書かれているのを見つけます。そして正面をみると、かめの甲羅を連想させるような大きな一枚岩があるのがわかります。

樹木にさえぎられて全体を見渡せないのが残念なのですが、大きくて平らな岩の上にまた大きなかめの甲羅のような岩が重なるように乗っかっているのがわかります。

さらに道を下っていくとこんどは「ここはふたご岩」と書かれた案内板があります。その先をみると樹林の間に大きな岩が二つ転がっているのがわかります。

手前と奥に大きな岩が二つ並んであります。これも木が無ければもっとはっきりとわかるのですが、観光地というよりも植林が優先なのでしょう。

しばらく歩くと沢と合流し左へ沢伝いに下っていくと朝通った大倉山コース入口にたどり着きます。ここを右へ曲がり舗装道路を20分弱歩くと正丸駅に戻ります。

まとめ

今回のルートは合計で3時間35分でした。山頂等での休憩時間は40分ほど。あとは目についた観光案内板は全部しっかりと目を通したので、実際の歩行時間は2時間40分ほどだと思います。

正丸駅から登山口までの約1.5kmは舗装道路を歩くのですが、殆ど車は通らないので危険はないでしょう。また小さな川に沿ってあるくので季節ごとにいろんな花を楽しめます。

伊豆ケ岳の山頂は樹林に覆われてあまり見晴らしは良くないのですが、東京方面は良く見渡せる場所があるので、おすすめの季節は空気が乾燥して遠くまで見通せるようになる冬です。

また、都心から近くて便利なせいか平日でも登山客が絶えることがありません。単独登山でもあまり不安を感じることがないのもこのルートの良い点でしょう。

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