笠取山の基本情報
標高が1,953mとちょっと高めなので11月中旬の登山は、暖かくして出掛ける必要があります。
作場平駐車場から分水嶺までの登山道は、前半が沢沿いのなだらかな道でとても気持ち良く歩くことができます。
また後半になるとちょっと傾斜はきつくなりますが、立ち止まって呼吸を整えるほどの傾斜ではないので誰でも問題なく登ることができるでしょう。
ただ山頂直下から山頂までの急斜面は、見るからにきつい道だというのがわかるくらいの急傾斜ですので覚悟が必要です。
しかも11月になると地面に霜柱が降りて、それが朝の太陽の熱で溶けるため、登山道がとても滑りやすくなります。
そのため下山時にこの急斜面を下ることはまず無理だと思います。
今回、登った時には誰一人としてこの急斜面を下る人はいませんでした。
また分水嶺のまわりは、草原のようになっていて見晴らしが良く、気分爽快になれるのでおすすめです。
山名 | 笠取山(かさとりやま) |
標高 | 1,953m(埼玉県側) |
場所 | 山梨県甲州市(登山口~展望台)/埼玉県秩父市(山頂) |
駐車場 | 作場平駐車場 |
三角点 | なし |
備考 |
駐車場情報
作場平駐車場
平日の朝8時前。
既に車が6台とバイクが一台止まっていました。また、下山時には満車状態でした。
週末はよほど早く到着しないとここに止められそうもありません。
位置 | 下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。 |
料金 | 無料 |
駐車可能台数 | 約18台 |
最終確認日 | 2022年11月16日(水) |
備考 |
臨時第一駐車場
ここは正規の駐車場から100mほど先にある駐車場です。ここに止められれば登山口まで100mちょっとなので問題ないでしょう。
ただ臨時駐車場なのでいつ無くなるかはわかりません。
位置 | 下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。 |
料金 | 無料 |
駐車可能台数 | 約8台 |
最終確認日 | 2022年11月16日(水) |
備考 |
臨時第二駐車場
ここは第二駐車場と書かれていますが、登山口まではかなりあるのでちょっと大変そうです。グーグルマップで測ってみたら1.2kmくらいありました。
ここも臨時駐車場なのでいつ無くなるかはわかりません。
位置 | 下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。 |
料金 | 無料 |
駐車可能台数 | 約10台 |
最終確認日 | 2022年11月16日(水) |
備考 |
登山ルート情報
作場平駐車場~笠取山
今回、一休坂から笠取小屋へのルートを予定していたのですが、行ってみると狩猟期間のためこのルートが閉鎖になっていて、急遽ヤブ沢峠経由となりました。
また分水嶺から笠山山頂を往復する予定だったのですが、あまりにも急な斜面だったため、下りに使うのは危険と判断し、先へ進みまき道を使って戻ることにしました。
狩猟期間は、11月中旬から1月下旬の平日のみのようなので、その期間中に登山される方は注意してください。
出発地点 | 作場平駐車場 |
所要時間 | 4時間50分 |
歩行距離 | -(スマホアプリ設定ミスにより未計測) |
登山ルート | 作場平駐車場~一休坂分岐~一休坂~ヤブ沢峠~笠取小屋~分水嶺~笠取山山頂(山梨)~笠取山山頂(埼玉)~水干~分水嶺~笠取小屋~ヤブ沢峠~一休坂分岐~作場平駐車場 |
所要時間詳細
この所要時間詳細は、2022年11月に行った際の個人的な山行記録です。年齢、性別、体力等により違いが生じますので参考程度にご利用ください。
上り | 作場平駐車場~一休坂分岐 | 28分 |
一休坂分岐~ヤブ沢 | 20分 | |
ヤブ沢~ヤブ沢峠 | 27分 | |
ヤブ沢峠~笠取小屋 | 17分 | |
笠取小屋~分水嶺 | 19分 | |
分水嶺~笠取山(山梨) | 29分 | |
(小計) | (140分) | |
山頂にて休憩 | 34分 | |
下り | 笠取山(山梨)~笠取山(埼玉) | 5分 |
笠取山(埼玉)~水干への分岐 | 12分 | |
水干への分岐~水干 | 10分 | |
水干~分水嶺 | 13分 | |
分水嶺~笠取小屋 | 14分 | |
笠取小屋にて休憩 | 9分 | |
笠取小屋~ヤブ沢峠 | 6分 | |
ヤブ沢峠~作場平駐車場 | 47分 | |
(小計) | (116分) | |
合計 | 4時間50分 |
山小屋、テント場情報
笠取小屋
料金 | 素泊まり:4,500円、テント泊:700円(1名) |
営業日 | 通年(要確認) |
規模 | テント30張 |
トイレ | 笠取小屋の前にバイオトイレ有り |
風呂 | 無し |
ウェブサイト | 多摩川源流の山小屋 笠取小屋オフィシャルサイト |
トイレ、コンビニ情報
トイレ情報
作場平駐車場内公衆便所
作場平駐車場の敷地内にある2022年11月に完成したばかりの男女別のきれいな公衆便所です。
笠取バイオトイレ(笠取小屋)
笠取小屋の向かい側にある男女別のバイオトイレで、嫌な臭いは殆どしません。
コンビニ情報
駐車場の近くにはコンビニ等は一切ありません。
おすすめ登山地図
おすすめの登山地図は、昭文社の「山と高原地図/(25)大菩薩嶺」です。
天気予報をチェック!
笠取山の天気は?・・・ヤフー天気(山梨県甲州市)
登山記録のスライドショー
下の「笠取山の登山記録」とほぼ同じ内容になります。
再生時間は約11分です。時間のある方はスライドショーで今回の笠取山登山記録をお楽しみください。(BGMが流れます。音量に注意してください。)
笠取山の登山記録
山行日 | 2022年11月16日(水) |
山行形態 | 単独 |
天候 | 晴れ |
作場平駐車場から一休坂分岐へ(所要時間:約28分)
ここが今回の起点になる作場平駐車場です。
24時間開放されている無料駐車場で、2022年11月に行ってみると駐車場敷地内に新しいトイレの設置工事が行われていました。
登山口は駐車場を右に出て50m進んだ案内板の横ですが、左へショートカットすることも可能です。
今回は初めてなので、正規の登山口から登ることにします。
大きな案内板の先にある案内板には、「笠取山」の文字は無く、「一休坂分岐を経て水干 5.2km」とし書かれていません。
水干(みずひ)という場所は、笠取山の山頂直下にある場所なので間違いありません。心配せずに登山を開始しましょう。
笠取小屋の先まではほとんど見晴らしの良い場所はなく、深い森の中を歩きます。
あまり日が当たらないためか大きな石が苔に覆われています。
こんな景色は、長野県の白駒池周辺でしか見たことはありません。
はじめのうちは沢沿いの登山道を歩きます。
しばらくすると一時的に沢から離れ、傾斜が増してきます。
一休坂分岐から笠取小屋へ(所要時間:約64分)
駐車場から27分ほど歩くと一休坂分岐に到着します。
ここを直進してヤブ沢峠へ向かうルートもあるのですが、今回は右へ進み一休坂から笠取小屋へ直接登るルートを歩いてみることにします。
案内板のポールに「一休坂分岐」の文字を確認してから進みます。
一休坂分岐から8分ほどで一休坂に到着しましたが・・・。
なんと予定していたルートが通行止めになっていました。
理由は、増えすぎた鹿を駆除するために猟をするためのようです。
期間は11月15日~1月31日までの平日となっています。土日は猟は行わないので通行できると書かれています。
仕方がないのでヤブ沢方面へ進み、ヤブ沢峠を経由して笠取小屋を目指すことにします。
一休坂からヤブ沢まではとても歩きやすい道で、ずっと緩やかな下り坂でした。
ヤブ沢に到着!
10分でヤブ沢に到着です。ここを右に曲がりヤブ沢峠を目指します。
自然林なので葉が全部落ちると明るい登山道になります。
ほどなく登山道は、沢から離れ傾斜がきつくなってきました。
ヤブ沢峠に到着!
ヤブ沢から28分ほどでヤブ沢峠に到着します。笠取小屋へは、ここを右へ曲がります。
案内板のポールに書かれている「ヤブ沢峠」と「笠取小屋を経て」という文字を確認して右へ進みます。
ヤブ沢峠から笠取小屋までの道は軽自動車が通れるくらいの広さがあります。
実際、笠取小屋に軽自動車が止まっていました。小屋の荷物の運搬は軽トラで行っているようです。
ヤブ沢峠から17分ほどで笠取小屋が見えてきます。
笠取小屋に到着!
笠取小屋はこの時期閉鎖されているようです。下山時に立ち寄ってもシャッターは閉まったままでした。
笠取小屋前には広いスペースがありますが、霜柱が溶けてぬかるんでいます。
正面の山は大菩薩嶺です。
笠取小屋のすぐ横にはバイオ式の公衆トイレがあり、冬でも使えるようです。ポットン便所なのですが、嫌な臭いは殆どしませんでした。
さすがバイオ式です!
笠取小屋から笠取山山頂へ(所要時間:約48分)
公衆トイレの前を進み、まずは分水嶺を目指します。坂の上までずっと木道が敷かれています。
霜柱が溶けてぬかるんだらこの登り坂は滑って絶対に登れないでしょう。木道が敷かれていて感謝です!
坂を登りきると森から抜け出て空が広がります。右のこんもりした丘が分水嶺です。
分水嶺へは木道から左へ進みます。(とても滑りやすいので注意です!)
分水嶺に到着!
笠取小屋から12~13分で分水嶺に到着です。正面には最終目的地の笠取山が見えます。
ここで降った雨が多摩川、荒川そして富士川方面の3方向へ流れていきます。
分水嶺からも富士山がよく見えます。
分水嶺から笠取山方面へ進みます。
山頂直下の最後の急登です!
ここの案内板では、直進します。
次第に傾斜がきつくなってきます。
さらに傾斜が増してきます。「せめてつづら折りの道にしてくれっ」て内心思いながら登ります。
山頂までもう少しです!
笠取山山頂(山梨県側)に到着!
それでも下から20分ほどで山頂にたどり着きました。
山頂はこんな感じでそれほど広くはありません。ベンチもありません。
正面には富士山が見えるのですが、今日はちょっと雲がかかっていて残念です!
こちらは北奥千丈岳と国師岳方面の展望です。この奥に金峰山(五丈岩)があります。
こちらは登ったことのない山で、調べてみると古礼山、水晶山そして雁坂嶺という山のようです。
富士山と大菩薩嶺そして鶏冠山の眺めです。
山頂から上ってきた道を見ようとしたのですが、急過ぎて見えませんでした。
笠取山山頂(山梨県側)から笠取山山頂(埼玉県側)へ(所要時間:約5分)
山梨県側の展望台から埼玉県側の山頂へは岩場の小さなアップダウンがあるので慎重に通過しましょう。
ここは斜めの石に足を乗せ、上の木の根につかまってよじ登ります。
短いですがやぶ漕ぎもあります。
笠取山山頂(埼玉県側)に到着!
5分ほどで埼玉県側の山頂に到着します。
埼玉県側の山頂からは富士山方面のみ展望が広がります。
笠取山山頂(埼玉県側)から笠取小屋へ(所要時間:約49分)
埼玉県側の山頂から先へ進むと右へ下る分岐があるので注意しながら進みます。
10分ほど歩くと手作り感満載の白い案内板が細い木にぶら下がっています。ここを右に下ります。
細くて急な斜面を慎重に下ります。
ほどなくに右手に案内板が見えてきます。しっかりした登山道と合流します。
大きく右に曲がります。
そこにある案内板には、「水干」としか書かれていませんが、分水嶺、笠取山小屋方面へは水干を経由するのでこちらへ進みます。
笠取山山頂の下のまき道はほぼ平らで歩きやすい道です。
水干(みずひ)に到着!
登山道沿いに「水干」と書かれた案内ポールが立っています。ここが多摩川の起点のようです。
近くにある解説板を読むと水干の意味がよくわかります。
すぐ近くにはテーブルベンチもあります。
水干から分水嶺までの登山道もほぼ平らなので疲れることはありません。
途中で分岐がありますが、案内板があるので迷うことはありません。
案内板通りに分水嶺を経由して笠取小屋へ向かいます。
ここからの道もほぼ平らで気持ちよく歩けます。
分水嶺に到着!
水干から13分ほどで分水嶺のてっぺんまで戻ってきました。
振り返ると笠取山が見えます。
山頂直下の急斜面。
来年、暖かくなったらまた来ます!
雲がなくなり、北奥千丈岳、国師岳の山頂が良く見えるようになりました。
富士山は相変わらず半分雲がかかったままです。
分水嶺から笠取小屋へは来た道を戻ってもよいのですが、右へ進む道があったので行ってみることにします。
草地の広がる開放的な場所を歩くことができました。
斜面を緩やかに下ると笠取小屋から延びる木道へと合流します。
木道の上を歩いて下るとすぐに笠取小屋です。
分水嶺から14分ほどで笠取小屋に到着です。ベンチで一休みしてから下山することにします。
笠取小屋から作場平駐車場へ(所要時間:約43分)
笠取小屋からヤブ沢峠までは広い林道をのんびり下ります。
6分ほどでヤブ沢峠に到着します。ここで大きく左へ曲がります。
ここから駐車場までは1本道でずっと下り坂です。
標高が高いので気温は低いのですが、晴れて風がないので気持ちよく歩くことができます。
木製の橋は滑りやすいので慎重に渡ります。
ずっと沢沿いの登山道を歩きます。
ヤブ沢に到着!
ヤブ沢峠から20分弱でヤブ沢まで下ってきました。朝は一休坂から来たのですが、下山では直進します。
ルート上にはベンチがまんべんなく設置されているため、好きな場所で休憩することができ、とても助かります。
沢を見下ろしながら明るい登山道を下ります。
ヤブ沢から9分ほどで一休坂分岐に到着です。ここもまっすぐ下ります。
傾斜もどんどんゆるくなってきます。
右を流れる川も少しづつ太くなり、沢の音も大きくなってきました。
さらに下り傾斜が緩くなり、道も広くなってきたら駐車場はすぐ先です。
右を見ると車が見えてきます。ここで右へ曲がり近道を進みます。
作場平駐車場へ戻ってきました。朝には右側に一台も車が止まっていなかったのに下山時はほぼ満車でした。
まとめ
笠取山は本当に魅力的な山でした。
登山口をちょっと入っただけで低山との違いを感じます。
同じ森の中を歩くにしても苔むした場所や登山道と沢の近さなど山の雰囲気全体が低山とは違う感じがします。
また笠取小屋の先の分水嶺まわりの広がりのある地形や笠取山の最後の急斜面。
いづれも魅力を感じる山です。
今回は11月中旬ということもあり、紅葉も完全に終わった時期なのでその楽しみは味わうことができませんでした。
しかし落葉の量などを想像すると新緑や紅葉の美しさは簡単に想像できます。
あと2回(新緑と紅葉の時期)は訪れたくなる山です。
さて、登山道の状況はというと、しっかり整備されていて危険な箇所は殆どありませんし、大雨で崩落している場所もありません。
また山頂直下の急斜面を除けば登山道の傾斜はそれほどきつくなく、初心者の方でも十分に走破できるルートです。
ただ山梨県側の山頂から埼玉県側の山頂までの道は岩場のアップダウンが少しあるので注意が必要です。
それに山頂直下の急斜面は、時間にすると20分ほどなのでゆっくり登ればだれでも登りきることができるのですが、11月以降の霜のおりる季節は注意が必要です。
霜が降りてそれが太陽の熱で溶けると地面がぐちゃぐちゃになり、ツルツル滑るようになります。
そうなると山頂直下の急斜面を下りで使うことはとても危険になるので頭に入れておく必要があります。
おすすめの登山適期は、5月上旬から10月中旬の梅雨を除く時期だと思われます。