大霧山の基本情報
大霧山の山頂は、北側が開けていて秩父市街をはじめ群馬県の山並みなどを遠く見渡すことができる素晴らしい山なのですが、南側が植林に覆われているため太陽の光が差し込みません。
そのため山頂での記念撮影は薄暗くなってしまい、きれいな写真が撮れません。
それがちょっと残念なところですが、駐車場から山頂の往復ルートだけでなく、山頂を通り過ぎ白石峠まで足を伸ばしてぐるっと周回するルートも設定できるので健脚の方も楽しめる山になっています。
山名 | 大霧山(おおぎりやま) |
標高 | 766.6m |
場所 | 埼玉県秩父郡皆野町 |
駐車場 | 橋場駐車場(無料) |
備考 |
駐車場情報
橋場駐車場
大霧山や登谷山、釜伏山への起点となる駐車場で、きれいで衛生的なトイレもあるとても便利な駐車場です。観光トイレの両側に合計で7台ほどしか駐車できないため、最近では平日でも満車になってしまうことがあります。
位置 | 下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。 |
料金 | 無料 |
駐車可能台数 | 約7台 |
最終確認日 | 2022年11月4日 |
備考 | 最近、「長時間駐車しないでください。」という張り紙がされました。登山での駐車は、ヤマメの里公園駐車場にしましょう。ヤマメの里公園駐車場から橋場までは徒歩15分ほどです。 |
登山ルート情報
橋場~大霧山~彩の国ふれあい牧場~橋場
橋場の駐車場から大霧山の往復だと2時間半ほどで戻ってきてしまうため、ちょっと歩き足りないと思い、今回は彩の国ふれあい牧場へも足を伸ばしてみました。
彩の国ふれあい牧場へはずっと車道歩きですが、まじかに牧場の牛を見れたり、牧場近くの車道からの景色は素晴らしいものがあります。
出発地点 | 橋場駐車場 |
所要時間 | 3時間47分 |
登山ルート | 橋場駐車場~粥仁田峠~大霧山~粥仁田峠~彩の国ふれあい牧場~橋場駐車場 |
トイレ、コンビニ情報
トイレ情報
- 橋場駐車場地内に男女別のきれいな観光トイレがあります。
- 彩の国ふれあい牧場モーモーハウス横に男女別のきれいなトイレがあります。
コンビニ情報
- 橋場駐車場付近にはありません。
- 小川町駅付近に数軒あります。
おすすめ登山地図
おすすめの登山地図は、昭文社の「山と高原地図/(22)奥武蔵・秩父」です。
大霧山~彩の国ふれあい牧場の登山記録
山行日 | 2018年11月16日(金) |
山行形態 | 単独 |
天候 | 晴れ |
橋場の交差点にあった観光トイレが数年前に建て替えられてとても衛生的できれいな観光トイレに生まれ変わりました。トイレは洋式トイレで便座は暖房付きなので秋から冬の登山時には本当に助かります。
駐車スペースはトイレの両側に7台くらいしか停められません。平日の朝8時前に到着すると1台も駐車していませんが、昼過ぎに下山してきた時には満車状態でした。
大霧山への登山口は、正面の車道を600mほど上っていくと見えてきます。
車道の左側に「銀鱗停」と書かれた釣り堀センターの大きな看板の先に登山口はあります。車道の右側のゼブラゾーン(白線)のところが登山口です。
登山口付近は草が生い茂っていますが、すぐにちゃんとした登山道になります。ここからは車道歩きと登山道歩きを数回繰り返して粥仁田峠へ向かいます。
登山道は車道と車道の間をショートカットするかたちなのでそれほど長くは続きません。また登山道自体は明瞭でかつ、案内板もたくさん設置されているため迷うこともありません。
登山口から森の中を登る登山道はそれほど長く続きません。10分ちょっとで再び車道歩きになります。
車道からは最初の目的地である大霧山が見えます。右の一番低い場所が粥仁田峠で、そこからずっと左の大霧山へ登っていくことになります。粥仁田峠から大霧山まではだいたい30分ほどで到着します。
車道沿いにはみかん畑が広がっています。まったくフェンスなどが無いため盗られそうに思うのですが、さすが日本人の道徳心は世界一です。そんな心配は無用のようです。
近くには無人の販売所があって、お店で売れないような小粒のみかんが一袋100円で売っていました。当然、帰りに2袋ほど買って帰りましたが、小粒ながら甘酸っぱくてとてもおいしかったです。
ちなみに最近道の駅に移転した東秩父農産物直売所では、同じ小粒のみかんが倍以上の値段で売られていました。11月に大霧山へ登るのなら大きめのリュックで行き、下山時にこの無人販売所でまとめ買いすることをおすすめします。
車道を10分ちょっと歩くと案内板のある分岐が見えてきます。そこには粥仁田峠、大霧山、皇鈴山などと書かれた看板が複数立っています。
粥仁田峠という地名は漢字も読み方もいろいろあって困ります。旺文社の山と高原地図では、粥仁田峠という漢字で「かいにだとうげ」とふりがながふられていました。どちらが正しいのでしょうか?
民家の横を通り過ぎるとすぐに分岐があります。案内板に従って右へ進みます。
登山道がとても細くなる場所がありますが、そこからの眺めは電線などの人工物のない景色が眺められます。大霧山の右の尖ったところまでが、粥仁田峠からの登りで、そこまで行くと傾斜が緩くなるのがわかります。
再び森の中へ入りますが、比較的広い道なので歩きやすくなっています。森の中の歩きはそれほど長くは続きません。
森の中を10分ちょっと歩くとまた車道と合流します。この先のY字路を右に行くと彩の国ふれあい牧場方面になります。大霧山へ登ったあとは、ここを曲がり牧場を散策する予定です。
ここがY字路です。右へ曲がり車道上を歩いていくと牧場へ到着します。まずは大霧山へ行くので左へ進みます。
牧場への分岐から150~160mほどで粥仁田峠に到着します。ここを左へ曲がり、登山道に沿って30分登れば大霧山の山頂に到着します。
ここが大霧山への登山口です。ここから山頂まではずっと普通の登山道で車道や舗装道路と合流したり、歩いたりすることはありません。
登山口の横には屋根付きの休憩舎があり、その柱に登山届を提出するためのポストがあります。
休憩舎の横には「粥仁田峠」の歴史についての解説板があります。
粥仁田峠
江戸時代(1825年頃)につくられた地誌「新編武蔵風土記稿」には、秩父から江戸へ出る道が3筋記されています。
1つはここ粥仁田峠を越え川越へ通じる川越通りで、他は釜伏峠越えの中山道通り(熊谷みち)、正丸峠越えで飯能へ通じる吾野(我野)通りです。
今はさびしいこの峠道も、かつては重要な峠で、大宮郷(現在の秩父市)の市日には何百頭もの荷駄が行きかったとのことです。
環境庁・埼玉県
登山道は急な場所もありますが、比較的歩きやすい道になっています。
登山道にはきれいな案内板も設置されていて安心して歩くことができます。
自然林の中を歩く場所もあり、比較的明るい登山道になっています。ただこの時期は落葉がすごくてちょっと滑りやすくなっていたり、落葉の下に石があったりするので注意が必要です。
大霧山の山頂に到着!
大霧山の山頂は南側が植林された森になっているため太陽光は完全にさえぎられていて写真で撮るとこのようになってしまいます。粥仁田峠からは距離にして1.2kmほど、所要時間は30分くらいです。
日影部分に露出を合わせると山頂から見える景色が全く写真に写りません。これがコンパクトカメラの限界なのでしょうか。
大霧山の山頂には、「大霧山、766.6m」と書かれた看板が立っています。またベンチは4~5脚ほど設置されているのでゆっくり座って休憩することもできます。
山頂から左を見るとかろうじで武甲山が見えますが、この日は朝霧が発生して霞んであまりよく見えませんでした。
武甲山の右には秩父市街が広がっているのですが、朝霧のためあまり良く見えませんでした。さらに右の秩父高原牧場方面には朝霧はなく良く見渡すことができました。
こちらは寄居町、深谷市方面の眺めです。
大霧山の山頂には、詳しい山座同定板が設置されていて、ここから見える山を簡単に特定することができるようになっていましたが、残念ながらこの日は遠くの山は殆ど見えませんでした。
やはりもっと寒くなった冬の空気の乾燥した日が山座同定には良いようです。
大霧山の山頂には三等三角点があります。
ここが彩の国ふれあい牧場と駐車場への分岐です。右へ下ると橋場駐車場へ戻りますが、もう少し歩きたいので左へ進み、舗装道路の緩やかな坂道を上って行き、彩の国ふれあい牧場のあたりを散策してみることにします。
坂道を上り切り、少し歩くと森から抜け見晴らしが開けます。左を見ると牧場が広がり、放牧されている牛が草を食べていました。埼玉県にこんな風景があるなんて知りませんでした。
さらに進むと広い道と合流します。正面には屋根付きの休憩舎が見えます。
屋根付きの休憩舎の左側は牧草地で立ち入りはできなくなっています。また休憩舎の奥も行き止まりです。ただ、休憩舎からは南側が良く見え、小川町方面を見渡すことができます。
さらに右へ目を移すと東秩父の笠山と堂平山そして剣ヶ峰まで見渡すことができました。ただ、ここから小川町や笠山などを見る場合、常に逆光になりまぶしいため、ちょっと見づらいのが難点です。
さて屋根付きの休憩舎からは安全のため車道を通らずにその横にある歩行者用の道を進みます。
彩の国ふれあい牧場近辺を散策
歩行者用の歩道は300mほど先で車道と合流しますが道なりに車道の横にある歩道を進むと東秩父村の農産物の売店などがありますが、その多くは週末以外はお休みのようです。また冬期は週末もお休みになるようなのでホームページ等で確認してからでかけるとよいでしょう。
さらに先に進むと道の右側に彩の国ふれあい牧場が見えてきました。入場は無料のようで出入り口は解放されていました。敷地内にはヤギが放牧されていました。その他にうさぎも飼われているようなのですが、坂道を下ったところにあるようで今回は立ち寄りませんでした。
さらに先に進み彩の国モーモーハウスを通り過ぎて車道を歩いてみると、道の左側に林の散策路のようなものがあったので立ち寄ってみたのですが、ただの小さな散策路で、その横の駐車場方面へ進むと森の中に牛が放牧されていました。
地面には牧草はなく落葉があるだけなのになぜここに牛が集まっているのか不思議でした。
駐車場から彩の国モーモーハウスへ戻り、中へ入ってみると右側には丸いテーブルと椅子が置かれていて自由に休憩できるようになっていました。奥には牛に関する解説スペースと牛乳の自販機が置いてありました。
モーモーハウスのテラスにはテーブルベンチが置かれて自由に利用できるようになっています。またテラスからは、正面に東秩父の笠山と堂平山が見えましたが、完全な逆光でした。
せっかく来たのだからということでモーモーハウス内の自販機で牛乳を買ってみることにしました。値段は1本100円。今では家で飲む牛乳はすべて紙パックなので、なんだか懐かしい感じがします。
この牛乳瓶の紙のフタを開けるのは何十年ぶりなのかという思いにふけりながら開けようと試みたのですが、爪を切ったばかりで全然開いてくれません。
だんだん中に落ちていき指が牛乳だらけになってしまいました。確か昔はお店には針で刺して開ける道具があったような気がしたのですが、ここには無かったようです。
たださすが牧場の牛乳で濃いのでしょうか、飲み終わった後もずっと牛乳の味が口の中に残っていました。
橋場駐車場まで来た道を下山
彩の国ふれあい牧場のまわりを30分ほど散策して、下山することにしました。あとは来た道をひたすら戻るのですが、途中でみかんの無人販売所があったのでそこでみかんを買って帰ることにします。
小粒のみかんですが、一袋100円で売っていました。ちなみに下山後、車で立ち寄った東秩父村の農産物直売所では一袋200円ちょっとしました。
道の駅和紙の里東秩父と農産物直売所が一体化しました
橋場駐車場から小川方面へ車で走ると和紙の里と東秩父村農産物直売所が合体して道の駅になった場所があります。そこにはうどんやそば、らーめんや団子などを売っている店舗が並ぶ場所もあり、平日でも駐車場は常に混雑し、多くの人が来ていました。
また和紙作りの体験施設などもあり、小学校の課外授業などで子供たちが大勢来ていました。
こちらが団子やそば、うどんなどを売っている店舗でお店の前にはテーブルが置かれゆっくりと食事を楽しめるようになっています。
その裏には和紙作りを体験できる工房やレストラン、そして東秩父村にあった古民家が移築され無料公開されていました。
まとめ
橋場から大霧山の往復だと歩く距離が短すぎるので今回は、彩の国ふれあい牧場まで足を伸ばしてみました。ちょっと残念だったのが、牧場のまわりのお店が週末しか営業していなかったことです。
ただ土日祝日に行かれるのであれば、もっと楽しめると思います。ただ、牧場からの見晴しは素晴らしく大霧山の山頂よりもすがすがしい気分を味わえるのでぜひ立ち寄ることをお勧めします。
大霧山へは、定峰峠や白石峠まで足を伸ばす周回ルートもあるのですが、そちらはアップダウンが結構きつくて健脚向きで5時間以上は掛かると思ったほうがよいでしょう。
また笠山と堂平山へ登るのであれば、橋場駐車場の先にあるヤマメの里公園駐車場に車を停めると良いでしょう。
その場合は、私だったら下山後車で大霧山の途中にあったみかんの無人販売所に車で行って大量に購入しようと思います。