大霧山の基本情報
今回のコースは、半分以上が車道歩きになるというちょっと残念なコースなのですが、初心者の方にとっては安心感があるのではないでしょうか。
また、単独登山者の方にとってもリスクの少ないコースなので、一人で山歩きをした経験が少ない方にもおすすめのコースです。
そんな大霧山ですが、山頂からの展望は素晴らしく、空気の乾燥する冬には遠く群馬県や栃木県などの山々を見渡すことができます。
山名 | 大霧山(おおぎりやま) |
標高 | 766.6m |
場所 | 埼玉県秩父郡皆野町 |
駐車場 | ヤマメの里公園駐車場(無料) |
備考 |
駐車場情報
ヤマメの里公園駐車場
ここは笠山及び堂平山へ登る時の起点にするのが一般的なのですが、大霧山を周回する時にも利用できます。24時間開放されている無料の駐車場で、マイカー登山者にはとてもありがたい駐車場です。
位置 | 下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。 |
料金 | 無料 |
駐車可能台数 | 約20台 |
最終確認日 | 2023年10月23日(月) |
備考 |
登山ルート情報
ヤマメの里公園駐車場~大霧山~定峰峠
このコースは半分以上が車道歩きになる初心者向きのコースです。完全な登山道というのは粥仁田峠から大霧山を経由して定峰峠までです。
コースの前半と後半部分には舗装された林道を何度も歩いたり横断したりする場所がありますが、各所に案内板がしっかりと設置されていて迷うことは一切ありません。
定峰峠から駐車場まではずっと下り坂なので体力に自信の無い方でも歩き切れるコースです。
出発地点 | ヤマメの里公園駐車場 |
所要時間 | 4時間18分 |
歩行距離 | 13.7km |
累積標高 | 2,063.2m |
登山ルート | ヤマメの里公園駐車場~粥仁田峠~大霧山~旧定峰峠~定峰峠~白石車庫~ヤマメの里公園駐車場 |
登山アプリ「コンパス」による登山記録
グラフの左から右へ時間ごとの標高が表示されており、左のピークが大霧山の山頂です。
その後、定峰峠を目指して一旦下り、定峰峠の30分ほど前にちょっときつめの上りが20分ほどあります。
その後10分ほど下ると定峰峠に到着します。
その後も車道を2回ほど横断してショートカットを繰り返し、3度目に車道に出たあとは、舗装道路上を白石峠までくだります。
右の最後の緩やかなグラフの傾斜は、白石車庫からヤマメの里公園までの車道歩き(約45分)です。
登山アプリ「コンパス」では、このように下山後に、自宅のパソコンやスマホで歩いた距離、標高等を無料で確認できてとても便利です。
所要時間詳細
この所要時間詳細は、2019年11月に行った際の個人的な山行記録です。年齢、性別、体力等により違いが生じますので参考程度にご利用ください。
上り | ヤマメの里公園駐車場~橋場 | 14分 |
橋場~登山口(銀鱗亭先) | 8分 | |
登山口(銀鱗亭)~粥仁田峠 | 42分 | |
粥仁田峠~大霧山山頂 | 30分 | |
(小計) | (94分) | |
大霧山山頂での休憩 | 19分 | |
下り | 大霧山山頂~直角に左折する場所(ベンチ2脚あり) | 20分 |
直角に左折する場所(ベンチ2脚あり)~旧定峰峠 | 10分 | |
旧定峰峠~定峰峠 | 44分 | |
定峰峠~白石車庫 | 36分 | |
白石車庫~経塚バス停 | 10分 | |
経塚バス停~ヤマメの里公園駐車場 | 25分 | |
(小計) | (145分) | |
合計 | 4時間18分 |
トイレ、コンビニ情報
トイレ情報
- ヤマメの里公園内に公衆トイレがあります。(川の対岸なのでちょっと遠い)
- 駐車場から橋場方面へ100mほどのところに男女別の観光トイレがあります。
- 橋場(交差点)に観光用のとてもきれいなトイレがあります。(おすすめ)
- 橋場と粥仁田峠の中間あたりにきれいな観光用トイレがあります。(おすすめ)
- 白石車庫バスターミナル手前に公衆トイレがあります。
皆谷観光トイレ
ヤマメの里公園駐車場から橋場へ向かう途中にある観光トイレです。駐車場から100mほどのところにあります。男女別ですかちょっと古いタイプのトイレです。
(注)ヤマメの里公園駐車場地内にトイレが新設されたため、こちらのトイレは撤去・解体されました。(2022.11.04確認)
橋場観光トイレ
橋場交差点にある観光トイレで男女別でとてもきれいなトイレです。マイカーであれば、ヤマメの里公園駐車場に行く前にここに立ち寄っておくとよいでしょう。
橋場と粥仁田峠の間にある観光トイレ
橋場と粥仁田峠の中間にある観光トイレです。最近作られたようなとてもきれいなトイレです。
コンビニ情報
駐車場の近くにはコンビニは一切ありません。
みかん無人販売所
栗和田もみじ販売所
こちらは登山ルート上にある無人のみかん販売所です。休みの日もあるようですが、11月になると平日でも開いていることもあります。
小粒のみかんだと一袋に13~14個入って、一袋100円(税込み)です。ちょっと大きめのみかんだと一袋に6~8個入りです。
はぎの里無人販売所
こちらは登山ルートから少しはずれたところにあるみかんの無人販売所です。こちらでは大きめの袋に20個ちょっと入って一袋200円です。
右の黒く錆びた箱に料金を入れて購入します。今日は2袋(400円)購入しました。
大霧山の登山記録
山行日 | 2019年11月17日(日) |
山行形態 | 単独 |
天候 | 晴れ |
駐車場から粥仁田峠へ(所要時間:約1時間)
今日の大霧山登山の起点はここ、ヤマメの里公園駐車場です。この駐車場は笠山~堂平山の登山口のすぐそばなので、私は年に1度は来ています。
以前は大霧山登山には橋場にある観光トイレの横に止めていたのですが、「長時間駐車禁止」の貼り紙がされてしまったので、今回からはここを起点に登りたいと思います。
ヤマメの里公園駐車場地内にはトイレはありません。公園利用者用のトイレは、駐車場の川向いにあるヤマメの里公園内にあるので歩くとちょっと遠くなります。
それよりも駐車場から橋場方面へ100mほど歩いた場所にも公衆トイレがあるのでこちらのほうが便利です。
駐車場からはまず橋場方面へ歩道を歩きます。
駐車場から14分ほどで橋場の交差点に到着します。右にある建物が橋場観光トイレです。大霧山の登山口へはここを左へ曲がり橋を渡って坂道を上って行きます。
左に「銀鱗亭」と書かれた看板が見えてきたら10mほど先の右側に登山口があります。
登山口には石碑や複数の案内板が立っています。はじめは細い登山道ですが、次第に歩きやすい道に変わります。
晴れた朝には植林の森ですが陽の光が入る場所もあり、気持ちよく歩くことができます。
10分ほどで再び車道と合流します。この車道を道なりに上がっていきます。
左にはみかん畑が広がっています。11月中旬にはこのようにみかんがたわわに実っています。
5分ほど車道を歩くと道の分岐に案内板が設置されている場所が見えてきます。黄色く色づき始めているイチョウの木の先を左へ進みます。
分岐の先には親切された観光トイレがあります。ここから先にはトイレはありませんので必要な方はここで立ち寄っておくと良いでしょう。
大きなイチョウの木の横を進み民家のすぐ横を通り抜けて行きます。
民家の先が左へ下る道と右へ上って行く道に分岐しています。ここを右に上っていきます。
右に曲がった先には案内板があります。
道なりに少し進むと左側の見晴しが良くなる場所があります。そこからはこれから登る大霧山の登山ルートになる尾根がよく見えます。
さらに進むとコンクリートで舗装された道が未舗装の道になってきます。
道はさらに森の中に入っていきますが、広く歩きやすい道です。
20分ほど森の中を歩くと再び車道と合流します。この細い舗装道路を進んだ先が粥仁田峠です。
車道と合流した場所から5分ほどで粥仁田峠に到着します。大霧山へはここを左へ登って行きます。
粥仁田峠から大霧山山頂へ(所要時間:約30分)
ここが大霧山への登山口です。舗装道路歩きはここまでで、ここからは普通の登山道になります。
登山口には登山届を提出するポストがあります。
粥仁田峠の登山口には案内板もしっかりと設置されています。今回の周回ルート上にはこのような案内板が要所要所にしっかりと設置されているので誰でも安心して歩くことができます。
登山道は自然林の中だけでなく植林帯も歩きます。自然林の中は秋になると葉が落ちて日差しが入り明るく気持ちのよい登山道になります。
登山道を道なりに歩いていると左側の見通しが良くなる場所があります。良く晴れた日であれば、ここから茨城県の筑波山が見えることがあります。
途中に桜の木の倒木がありますが、ちょっと頭を下げるだけで通り抜けられるので問題ありません。(2019.11.17現在)
今は、完全に撤去され安全に通行することができます。(2020.10.21 現在)
登山道が左右に分岐する場所があり、そこには案内板はありません。左は急な登り斜面で右が緩やかな道になっています。この道は先で合流しているのでどちらの道を歩いても問題ありません。
空が明るくなってきたら大霧山の山頂はすぐそこです。
大霧山山頂に到着!
粥仁田峠から30分ほどで大霧山の山頂に到着します。大霧山の山頂は、南側が樹木に覆われているため陽の光が直接差し込まないため、コンパクトカメラで撮影するとこのように暗くしか撮ることができません。
大霧山の山頂には山名と標高が書かれた看板が立っています。
ベンチの横には三角点が設置されています。国土地理院のサイトで調べてみると四等三角点だと分かりました。
大霧山の山頂には、展望案内板が設置されているので群馬県や栃木県の山の名前も確認できます。
大霧山の山頂の山頂の一番左に見える三角の山が秩父の武甲山です。ここからは全景を見ることはできません。
武甲山から右へ視線を移すと日本百名山の両神山が確認できます。
さらに右を見ると群馬県の御荷鉾山が見えます。雲が無ければその右側に浅間山が見えるのですが、今日はあいにく見ることができませんでした。
さらに右へ視線を移すと榛名山が見えます。
コンパクトカメラでめいっぱいズームすると榛名山の山並みが確認できました。
そしてそのさらに右には群馬県の赤城山、栃木県の日光白根山、男体山なども眺めることができます。大霧山の山頂にある展望案内板によると、天気が良ければ福島県の燧ケ岳まで見えるようです。
山頂にはベンチが3脚ほどあり、座って休憩することができます。
本日の山頂の気温はちょうど5度でした。街中で歩いているとかなり寒さを感じる気温なのでしょうが、1時間半も歩いてきたのでそれほど寒さは感じません。
大霧山山頂から旧定峰峠へ(所要時間:約30分)
大霧山の山頂から定峰方面への登山道はこんな感じで、はじめのうちは木漏れ日の入る自然林の中を下ります。
山頂からはずっとフェンス沿いを歩きます。フェンスの左側は牧場の敷地になるようで立入禁止のようです。
山頂からフェンスに沿って歩いていると左側の見晴しが良くなる場所があります。そこからは笠山と堂平山がよく見えます。
大霧山の山頂から20分ほど歩くとベンチが2脚置かれた場所に到着します。ここで登山道は大きく左へ曲がり坂道をさらに下っていきます。
大きく左折する場所にはこのように案内板もしっかりと設置されています。
途中に倒木がありますが簡単に跨いで通り抜けることができます。この先、定峰峠まではもう倒木はありません。(2019.11.17現在)
大きく左折する場所から10分ほどで旧定峰峠に到着します。
旧定峰峠にはしっかりした案内板があります。「白石」方面へ下ると経塚バス停の横に出ます。体調が良くない場合は、ここをエスケープルートとして下るとショートカットして駐車場へ戻れます。
旧定峰峠から定峰峠へ(所要時間:約45分)
旧定峰峠から定峰峠へはちょっと薄暗い植林帯も通ります。
またちょっと長めの登り坂もあります。そのため旧定峰峠から定峰峠へは40分ほど掛かります。
途中で樹木が伐採された場所に到着します。そこからも笠山と堂平山がよく見えます。
コンパクトカメラでズームしてみると堂平山の山頂にあるパラグライダーの離陸場所や旧国立天文台のドーム屋根が確認できます。
ベンチはありませんが、木の切り株に座ってちょっとした休憩ができます。
旧定峰峠から40分ほどで舗装道路と合流します。
ここは車道が三方向へ分岐する交差点で、ここが定峰峠になります。ここには今日は営業していませんが、茶屋が数軒あります。
ここが定峰峠にある登山口です。
案内板のポールには定峰峠と書かれています。
定峰峠から白石車庫へ(所要時間:約35分)
下山路は車道を少し歩くのですが、2019年の台風や大雨で斜面が崩れて車は通行止めになっています。
歩行者は横を通り抜けて歩けるようになっています。
定峰峠から車道を100ほど下ると「白石車庫」と書かれた白い案内板があります。
ここで車道から登山道へ入っていきます。車道を道なりに歩いても白石車庫へ行けるのですが、かなり遠回りになります。
登山道は大雨の影響でかなりえぐれている場所もありますが、すぐに歩きやすい道になります。
道なりに下っていくとまた車道と合流します。森の中から車道へを3回ほど繰り返します。
車道のすぐ向かい側に再び森の中へ入る登山道があります。
こちらの登山道は植林帯の中を歩くのでちょっと薄暗いのですが歩きやすい道です。
途中には自然林の中を歩く場所もあります。
車道と2回目の合流です。
車道のすぐ向かい側に登山道があります。
こちらの道もあるくのに問題はありません。
ここで車道との合流は3回目になります。電柱の左側に白い案内板があります。
白い案内板には「白石車庫」と書かれています。ここから白石車庫まではずっと舗装道路を道なりに下っていきます。距離にすると800m弱です。
途中にはテレビや雑誌で紹介されることもある「鬼うどん」のお店があります。
白石車庫の手前には公衆トイレがあります。中で男女別に分かれていて臭いのしないとても衛生的なトイレです。
この右側が白石車庫のバスターミナルになります。駐車場へはここを左へ進みます。
白石車庫から駐車場へ(所要時間:約35分)
ここが白石車庫のバスターミナルで、バスはここで折り返し運転になります。バスターミナルの奥には屋根付きの休憩舎があるので座って休憩することができます。
また笠山~堂平山へ登った場合、写真奥の舗装道路からここ白石車庫へ下山して、同じヤマメの里公園駐車場へ戻ることになります。
疲れてもう歩きたくないという場合にはバスの時間が合えば、ここでバスに乗って駐車場まで戻れます。
バスの通る道沿いにはずっと槻川という川が流れています。
2019年の台風や大雨の影響でここ槻川沿いにある道路の斜面も崩落してしまい、バスや車は通行止めになっています。
歩いて通ることはできるため、登山者には支障はありません。(2019.11.17現在)
ここも大きく斜面が崩落していますが、歩行者の通行には問題ありません。
白石車庫からヤマメの里公園駐車場までの車道はずっと緩やかな下り坂で所要時間は35分でした。
まとめ
今回歩いたコースは、昭文社の「山と高原地図(奥武蔵・秩父)」の地図を参考に自分で設定したもので、60歳をまじかにした単独登山者でも安全に登山を楽しめるようにと考えました。
ポイントはルート後半に登り(上り)が無いことです。
自分の体力を過信するのが一番危険だと自分に言い聞かせ、体力の限界を超えてしまい行動不能にならないようなルート、なったとしても人通りのある車道上であることなどを配慮しました。
実際に歩いてみると大霧山山頂からの素晴らしい展望を楽しめたり、笠山と堂平山の撮影ポイントがあったりと個人的には満足できるルートでした。
車道歩きも、犬の散歩で1時間くらい車道を歩くことはよくあることなので、自分としては全く気になりませんでした。
また小粒ですが安いみかんが購入できるのもこのルートの好きなところです。事実、私は去年も11月のこの時期に大霧山へ登ってみかんを購入して帰りました。
そして今年は今回で2度目の登山で、みかんの購入も2度目でした。
みかんの無人販売所は営業していない日もあるのですが、2ケ所あるのでどちらかで購入できる可能性は高いと思います。
11月中であれば笠山~堂平山へ登った帰りに車で無人販売所に立ち寄ってもよいのではないでしょうか。
また、小川方面へ車で帰るのであれば、途中の道の駅(和紙の里と農産物直売所が一つになった場所)にも安いみかんを売っているのでお勧めです。