大菩薩嶺の基本情報
大菩薩嶺は、晴れていれば大菩薩峠から山頂手前の雷岩まで約50分の間、素晴らしい展望を楽しみながら歩くことができるとても魅力的な山です。
今回も快晴の中、富士山、南アルプス、八ヶ岳、金峰山そして甲府盆地全体の展望を楽しみながら歩くことができました。
大菩薩嶺登山で最も一般的なルートは、大日川峠にあるロッジ長兵衛方面からの周回ルートですが、今回は反対側の小菅村方面からの往復登山にチャレンジしてみました。
小菅村には白糸の滝駐車場とその先に雄滝駐車場があるのですが、雄滝駐車場手前の車道が落石等のために通行止めになっており、今回は白糸の滝駐車場に車を止めての登山となりました。
小菅村側から大菩薩峠までの登山道は、きちんと整備されていて危険な場所は一切ありません。
またきつい段差なども殆どなく誰でも安心して歩くことができます。
ただ歩く距離が長く、往復登山だと休憩時間も含めて6時間46分ほどかかったので、それなりの体力と筋力が必要になります。
そのためかどうかはわかりませんが、登山道を歩く人はとても少なく、白糸の滝駐車場から大菩薩峠までは行きも帰りも一人の登山者とも会うことはありませんでした。
静かな山歩きをしたい方にはおすすめのコースです。
山名 | 大菩薩嶺(だいぼさつれい) |
標高 | 2,057m |
場所 | 山梨県甲州市塩山 |
駐車場 | 白糸の滝駐車場(山梨県小菅村) |
三角点 | 三等三角点あり |
備考 |
駐車場情報
白糸の滝駐車場
白糸の滝駐車場までは未舗装の砂利道ですが、きれいに整地されており、普通乗用車でも問題なく来ることができます。
位置 | 下の地図(グーグルマップ内)のPの場所になります。(山梨県北都留郡小菅村橋立) |
料金 | 無料 |
駐車可能台数 | 約20台 |
最終確認日 | 2023年5月24日(水) |
備考 |
登山ルート情報
白糸の滝駐車場~大菩薩嶺(往復)
登山ルート情報
- 白糸の滝駐車場から登山口までは舗装道路上を10分ちょっと歩きます。
- 登山口からフルコンバまでの登山道は、きつい段差も一切なくとても歩きやすい道になっています。
- フルコンバから大菩薩峠までは、ちょっとした段差はありますが、誰でも問題なく通過できます。
- 大菩薩峠から雷岩までは、岩場が2ケ所ほどあり注意して通過する必要があります。
出発地点 | 白糸の滝駐車場(山梨県小菅村) |
所要時間 | 6時間46分 |
歩行距離 | 18.6km |
登山ルート | 駐車場~フルコンバ~大菩薩峠(介山荘前)~親不知ノ頭~雷岩~大菩薩嶺(往復) |
所要時間詳細
この所要時間詳細は、2023年5月に行った際の個人的な山行記録です。年齢、性別、体力等により違いが生じますので参考程度にご利用ください。
上り | 白糸の滝駐車場~登山口 | 13分 |
登山口~フルコンバ | 104分 | |
フルコンバ~大菩薩峠(介山荘前)(10分休憩含む) | 46分 | |
大菩薩峠(介山荘前)~賽の河原 | 22分 | |
賽の河原~大菩薩嶺 | 36分 | |
(小計) | (221分) | |
山頂にて休憩 | 20分 | |
下り | 大菩薩嶺~大菩薩峠(介山荘前) | 50分 |
大菩薩峠(介山荘前)~フルコンバ(5分休憩含む) | 29分 | |
フルコンバ~登山口(12分休憩含む) | 75分 | |
登山口~駐車場 | 11分 | |
(小計) | (165分) | |
合計 | 6時間46分 |
トイレ、コンビニ情報
トイレ情報
白糸の滝駐車場横トイレ
男女別のトイレですが、水洗ではありません。
コンビニ情報
駐車場の近くにコンビニ等は一切ありません。
おすすめ登山地図
おすすめの登山地図は、昭文社の「山と高原地図/(25)大菩薩嶺」です。
今熊山~刈寄山周辺の天気をチェック!
大菩薩嶺の天気は?・・・ヤフー天気(山梨県小菅村)
登山記録のスライドショー
下の「大菩薩嶺の登山記録」とほぼ同じ内容になります。
再生時間は約10分です。時間のある方はスライドショーで今回の登山記録をお楽しみください。(BGMが流れます。音量に注意してください。)
大菩薩嶺の登山記録
山行日 | 2023年5月24日(水) |
山行形態 | 単独 |
天候 | 快晴 |
白糸の滝駐車場から大菩薩嶺へ(所要時間:約3時間41分)
白糸の滝駐車場から登山口へ(所要時間:約13分)
ここが今回の起点となる山梨県小菅村にある白糸の滝駐車場です。トイレの手前が駐車スペースになっていて約20台ほど駐車可能です。
24時間利用可能な無料駐車場です。
駐車場の横に男女別のトイレがあります。
以前は水洗だったようなのですが、故障後はそのまま非水洗として使用されているようです。
白糸の滝駐車場のすぐ先の門が施錠されて車が通れなくなっています。
途中の道路上に斜面から落ちてきた大きな岩が道を塞いでいて車は進入禁止になっていました。
登山者は、門の左を通り抜けて進みます。(崩落個所は、大菩薩嶺登山口より先の場所なので歩行者は通行可能です)
駐車場から1~2分のところに白糸の滝入口があります。
大菩薩嶺登山口までは舗装道路上を歩きます。
前日に強い雨が降ると翌日はほぼ間違いなく快晴になります。今日も雲一つない天気で大菩薩峠からの尾根歩きが楽しみです!
大菩薩嶺登山口に到着!
駐車場から13分ほどで大菩薩嶺登山口が見えて来ました。ここで舗装道路から登山道に入ります。
登山口からフルコンバへ(所要時間:約1時間44分)
登山口には、大きな文字での表記があり迷う事はありません。
はじめは沢の右側を通り抜けます。
すぐに木橋を渡り、沢の反対側の斜面に取りつきます。
登山道は尾根の反対側へと進みます。
登山道は尾根の南側斜面へと移り、日当たりの良い登山道になります。
崩落した登山道はきれいに補修されていて危険な箇所はありません。
フルコンバに到着!
駐車場から2時間弱でフルコンバに到着します。
案内板の支柱に「フルコンバ」と書かれています。
フルコンバからは北側の展望が開けています。正面には唐松尾山と笠取山が見えます。
笠取山のアップです。左のあの斜面が笠取山山頂直下の急登の場所です。
色あせていますが、「大菩薩峠」と書かれているのがわかります。
フルコンバから大菩薩峠までは、約35分です。
フルコンバから大菩薩峠(介山荘前)へ(所要時間:約35分)
フルコンバで10分ほど休憩してから、歩き始めると薄紫色のきれいな花が群生して咲いていました。
青空と新緑と薄紫色の花・・・。
きれいです。
フルコンバから35分ほど歩くと突然左側の展望が良くなります。
ここからは東京都の山、御前山、大岳山、三頭山と大沢山が見えます。このすぐ先が大菩薩峠です。
大菩薩峠に到着!
駐車場から2時間43分で大菩薩峠に到着しました。
介山荘ではピンバッジ等のおみやげ品も売っています。
ここから雷岩までは素晴らしい展望が広がりますが、見ての通り結構な急斜面が続きます。
大菩薩峠には山座同定板があります。
甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳を山座同定してみましょう。
こんな感じでしょうか。南アルプスにはまだ白い雪が残っていました。
手前には深田久弥終焉の地である茅ケ岳も見えました。
大菩薩峠(介山荘前)から賽の河原へ(所要時間:約22分)
大菩薩峠で山座同定を楽しんだら、急斜面に取りつきます。石がゴロゴロしていてちょっと歩きづらい斜面です。
高度を上げてから後ろを振り返るとカレンダーでよく見る富士山と大菩薩湖の光景が広がります。
遮るものなく南アルプス全体を見渡せる素晴らしい展望が広がります。
10分ちょっとで急斜面を登りきると分岐が見えてきます。ここが「親不知ノ頭」です。
右は山頂方面ですが、左の見晴しの良さそうな場所へ立ち寄ってみます。
分岐には「親不知ノ頭」と書かれています。
親不知ノ頭の先のビューポイント
左へ進むとすぐに行き止まりなのですが、そこからの展望はまた素晴らしいものがあります。
富士山と大菩薩湖です。
甲府盆地全体を見渡すことができます。
南アルプスが壁のように立ちはだかっているのがよくわかります。
北岳(右)と間ノ岳(左)でしょうか。
賽の河原に到着!
親不知ノ頭から少し下ると賽の河原に到着します。
案内板には、「賽の河原」と書かれています。
賽の河原とは三途の川の河原のようで、石がゴロゴロしている場所にはこの名前がついていることが多いようです。
グーグルマップで検索してみると日本中にあることがわかります。
賽の河原から大菩薩嶺へ(所要時間:約36分)
賽の河原からはまた登りになります。少し進むと岩場が現れます。
ここは矢印などでの案内は一切ないので、自分で進むルートを見つけて登らなければなりません。
岩場を超えてもまだ登り坂は続きますが、展望は申し分ありません。
左を振り返ると相変わらず富士山と大菩薩湖が見えます。
大菩薩峠から展望を楽しみながら登って、約40分ほどで標高2,000メートル地点と書かれたポールに到着します。
ただ先を見るとまだまだ登りが続きます。
雷岩に到着!
標高2,000メートル地点から10分ほどで雷岩に到着です。
大菩薩嶺の山頂は樹林に囲まれて展望がないので、みんなこのあたりまで戻ってから座って休憩しているようです。
大きな岩の先の案内板の支柱に「雷岩」と書かれたパネルが取り付けられています。
雷岩の先にはちょっとした広場があり、そこからは富士山と大菩薩湖をほぼ直線上に配置して写真を撮影できます。
山頂へは、案内板に従って右へ進み、森の中へ入っていきます。木の根の張り出した歩きづらい道を10分ほど進むと山頂に到着します。
大菩薩嶺山頂に到着!
白糸の滝駐車場から3時間41分で、大菩薩嶺の山頂に到着しました。
山頂は樹林に囲まれていて展望はありませんが、日は差し込んでいて明るい山頂です。
山頂名の書かれたポールは、昔ながらの粗末なもので東京都と財力の違いを感じます。
1本は山梨百名山のポールのようです。標高は、2,057mです。
ポールの横には三等三角点があります。
大菩薩嶺から白糸の滝駐車場へ(所要時間:約2時間45分)
大菩薩嶺から大菩薩峠(介山荘前)へ(所要時間:約50分)
今回のルート上に座って休憩できるベンチはフルコンバの1ケ所だけです。
雷岩付近で座ってランチを楽しむにはレジャーシートを用意しておいたほうが良いでしょう。
山頂から雷岩まで戻り、写真撮影を楽しみます。
雷岩から大菩薩峠までもずっと見晴しは良いので、雲が切れら立ち止まって撮影することもできます。
ちょうど南アルプスの雲が消えてなくなりました。素晴らしい展望です!
下りの岩場は慎重に下ります。
八ヶ岳や金峰山も確認できました。金峰山の山頂にある五丈岩も肉眼で何とか確認することができました。
賽の河原に到着!
山頂からのんびり写真を撮りながら歩いて35分ほどで賽の河原まで戻って来ました。
ここから親不知ノ頭までちょっと上り返します。
親不知ノ頭の案内板が見えて来ました。富士山を見るときれいに雲がとれてなくなっていました。
雲がとれたきれいな富士山が撮影できました。三ツ峠山、黒岳そして毛無山も確認できました。
大菩薩峠へ下る途中で東京方面の展望がある場所があります。
そこからは奥多摩の御前山、大岳山、三頭山と大沢山そして鷹ノ巣山まで見渡すことができます。
介山荘が見えて来ました。甲府方面の展望はそろそろ見納めです。
大菩薩峠に到着!
大菩薩嶺の山頂から約50分で大菩薩峠(介山荘前)まで戻って来ました。
あとはフルコンバ経由で駐車場へ戻るだけです。
大菩薩峠(介山荘前)からフルコンバへ(所要時間:約24分)
右奥の下山口からフルコンバ方面へ下ります。
大菩薩峠から駐車場まではずっと下りなのでのんびり歩いても2時間かかりません。
5月下旬、登山道には三つ葉ツツジ?がきれいに咲いていました。
緑一色の森の中で見かけるとホッとします。
フルコンバに到着!
大菩薩峠(介山荘前)から24分ほどでフルコンバまで戻って来ました。
座って休憩したのは山頂の切り株以来なので、ここで座って休憩します。
フルコンバとはどういう意味なのでしょうか? 山梨県の方言でしょうか?
下山時でも雲一つない快晴でした。
フルコンバから登山口へ(所要時間:約1時間3分)
黒いシールで文字が書かれていたのでしょうが、完全に剥がれてなくなっています。
「小菅村」とうっすらと読むことができます。小菅村の白糸の滝方面へ下ります。
ずっとなだらかな下り坂で楽ちんです!
新緑の時期でも登山道は落葉でフカフカです。
登山口に到着!
フルコンバから1時間ほどで登山口まで戻って来ました。あとは舗装道路を10分ちょっと歩くだけです。
登山口から白糸の滝駐車場へ(所要時間:約11分)
朝、駐車場から歩き始めて既に6時間半ほど経過しているため、結構疲れが溜まっています。
ボーっとしながら舗装道路を歩きます。
いつの間にかフェンスのところまで戻ってきました。フェンスの右横を通り抜けたらすぐ駐車場です。
大菩薩嶺の山頂から2時間45分ほどで駐車場まで戻って来ました。休憩を含めた全行程の所要時間は、6時間46分でした。
まとめ
今回の行程は、上り3時間41分、下り2時間45分、休憩20分の合計6時間46分と62才の私にはちょっときつめの登山になりました。
それでも大菩薩嶺から雷岩までの間、ずっと大パノラマを楽しめたので疲れも吹き飛ぶほどの満足感、達成感でいっぱいです。
登山道は、整備も行き届いており誰でも安心して登ることができますし、平日の登山でしたが、登山者も少なく落ち着いて自分のペースで登ることもできました。
ちょっと長めの行程ですが、大菩薩峠から白糸の滝駐車場まではほぼ下り坂なので体力に不安のある方でも案外大丈夫かも知れません。
ただ大菩薩嶺のメインの場所はあくまで大菩薩峠から雷岩までの大パノラマなので、それを楽しむだけであればやはり上日川峠を起点とした周回ルートが良いでしょう。